2019-05-12 21:55:45 JST
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(2019-05-11) カミーノ25+3日目。晴。待望の晴れである。今まで辛かったよ。 7時30分行動開始。濡れた服に濡れた靴での出発となるが歩いている間に乾くだろう。朝は丘陵歩き。いい具合に霧がかっており幽玄な雰囲気である。気持ちの問題は実に大きい。全く疲れることなく15キロを歩いてCEEの町に。昨日は10キロ歩くのがしんどかっただけに天気が良ければ気分も良く体調まで良くなるものだ。 2時間半、丘が切れて海が顔を出す。一ヶ月ぶりの海である。そして紛うことなき初めて見る大西洋である。潮風を私は懐かしく感じる。思えば日本に住んでれば山も海も身近だしなぁ。 12時30分、Fisterraに到着。アルベルゲにチェックインしてまずは洗濯。二日間の雨で全く乾いていない洗濯物の洗い直しである。一通り雑務が片付いた15時。旅の最終目的地、岬の灯台へと向かう。灯台へと続く丘陵を滑るように登っていく。荷物がないって素晴らしい。思えば今までずっと10キロを越えるリュックを背負ってきたわけで、常に肩が痛かった。少々の坂道など全て下りに思える楽さである。灯台に到着。目的地までの一里塚も遂に0kmとなった。中世西洋の世界観における大地の果てである。あー、大西洋、広いなぁ。岬は観光地にもなっているらしく、巡礼者のほか観光客も多くいた。岬の灯台ですからね。岸壁の上にあります。降りたいなぁ。地の果てで是非大西洋を触っておきたい。急だとはいえ下れなくはなさそうだ。道のような踏み跡のようなものが一応岬の突端に向けて続いている。よく見ると赤い人影が見える。よし、行ってみよう。 10m置きに後ろを振り返り、帰り道を確認しながら降りていく。上から見下ろせば明確なルートも登り返すとなると絶対にわからなくなる。誤った道を登れば滑落しかねない。見返しながら丸い岩を右、岩の裂け目を辿るなどとランドマークを頭に叩き込む。遂に崖下の磯まで到着。赤い人影は地元の漁師であった。笑いながら「危ないよ。巡礼者は灯台までだよ。」みたいなことを言われた。そして、なぜだか漁で取った貝を何個かくれた。記念品として持って変えることにする。一人降りれば誰か着いてくるものである。気がつけばもう一人巡礼者が来たので記念写真を取ってもらう。帰りは丘の最高地点に向かう。ここもいい景色。最高の一日であった。