logo logo_atte 日記 随筆 何処
2018-07-02 21:10:52 CST
(2018-07-02) 5時半起床。 6時過ぎ、薄闇の中、歩いて鳥葬台へと向かう。禿鷲の饗宴は圧巻である。ものの5分で遺体は骨格となる。骨は砕かれ、腱や皮などの食べにくい部分は切り刻まれる。後には何も残らない。見事なものである。最初の鳥葬は喪主のお爺さんで80歳での大往生。その後の二件目も見た限り老人のようであった。鳥葬が一段落した後は食事らしく、二度、葬儀後にバター茶と麦こがしをご馳走してもらうことになった。宗教行事なので写真を取ることは控える。検索すれば鳥葬の画像や動画などいくらでも存在するであろう。次第だけ簡単に纏めておく。 1.僧による読経後、聖水による大地の清め。 2.清められた地に杭を打ち、杭と遺体の首を白い布で結ぶ。 3.遺体の解体(うつ伏せで手足、尻、背中、肩の肉を開いていく)。 4.禿鷲タイム。 5.骨(頭蓋骨も含む)を砕き、骨肉ミンチにする。 6.二度目の禿鷲タイム。 7.関係者による食事(死者との饗応との意味があるのだろうか)。これは相当に手間のかかる葬儀である。山に捨てて勝手に禿鷲が食うのとは訳が違う。禿鷲が食べやすいように、きちんと解体し、骨まで砕いてやるのである。なんとしても最後まで残さず食べてもらいたいとの意思を感じる。 5mほどの至近距離で見ていたが、不思議と気色悪さは感じなかった。元々、ホラー系は苦手なので、見ていられるか不安であったが、血濡れの髑髏が転がるさまや、啄まれて跳ね飛ぶ肉片はむしろ滑稽ですらあった。死者を蔑む訳ではなく非日常が生み出すそういう空間であったとしか言えない。さて、理塘での目的は果たした。少し標高を下げることにする。本当はもっとこの街を探索したいのだが、頭痛と目眩でこれ以上の滞在は不可能だ。