2022-10-22 20:42:08 JST
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(2022-10-22) 秋季無酸素景信山二稜同時攻略。曇。アルピニストは登る。それがどれほど困難な道のりであろうとも・・・。ヒマラヤとモンスーンが織りなす日本の不安定な気候。秋雨という言葉が暗示する日本で最も過酷な季節に、無酸素で景信山(727m)に登るべく4人の勇者が集った。大森のW、上野のI、大宮のK、そして僭越ながら私ことTである。しかも、無酸素に加えて東稜、北西稜の二方向からの同時攻略を目指すという登山史においても類を見ないものと言えるだろう。 T隊は陣馬山経由から北西稜、W隊は東稜を谷から攻略、I隊はKとともに東稜の尾根を南からアタックする。無事、生きて山頂で合流できることを誓い合う。 7時半の高尾駅にてバスを待つ。50m以上の大行列だ。臨時バスが2台増発される。この過酷極まりない季節を「行楽の秋」などと呼び、国民を死地に赴かせる日本はスパルタ並みの尚武国家と言えるだろう。 100人近いハイカーが連れ立って陣馬山に入る。前後のバスも増発されていることを考えると一体何人の国民が修羅の地に散ることになろうか。滑落の危険もある険しい山道は杉の植林に覆われている。急登に足が悲鳴を上げる。荷物は重い。世紀の偉業達成のため普段の二倍以上の荷物を担いでいる。子供に抜かれる。これはあれか?日本において、百獣の霊長たるヒトは子を窮境へと追い込み、生き残ったもののみ育てる。年齢は違えど同じく命をかけるもの同士だ。「パパ、疲れた〜。」「荷物を持ってあげるから、もうちょっと頑張ろうね。」さて、1時間で陣馬山登頂。山頂ではすでに多数のハイカーが思い思いにくつろいでいた。今回の登山で最も危険な核心部となる縦走路へと入る前に、茶屋にてけんちん汁を注文する。大きなリスクを前にしたときはエネルギーを補給しておく。登山の鉄則だ。、、が、準備中でまだできていないとのことであった。不安がよぎるがこのまま進むことにする。そして、縦走路最大の困難が現れる。泥濘だ!高尾山系は日本でも有数のハイカー密集地だ。多数の登山靴(と運動靴)に練り返された土道はヌタ場同然となりドロドロなのである。靴が汚れちゃうじゃないか!これら多数の困難を乗り越えてこそ栄光は微笑む。景信山北西稜(高尾縦走路)の最後の登りを超えればすでに山頂には三氏が控えていた。登頂成功。全員、生きていた。感動の再会。重かった荷物を下ろす。そして、荷物の中身を開ける。さぁ、焼肉パーティだ。満員御礼の景信山山頂でステーキを焼く。前人未到の秋季無酸素景信山二稜同時攻略(でかつ焼肉パーティ)達成を祝う。ビールを飲むものもいるが責めることはできまい。満腹になった帰りは連れ立って景信山東稜(俗には東尾根)で下山する。写真?撮ってない。ありきたりな高尾縦走路で、山頂テラスで楽しく焼肉食べてただけです。