2021-11-13 22:00:09 JST
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(2021-11-13) 三ツドッケ-蕎麦粒山-川苔山-本仁田山。晴天。奥多摩で歩いたことのなかった長沢背稜(東京埼玉都県境)へ。長沢背稜はとにかくアクセスが悪い。行ってみたいと思いながらずっと尻込みしていた。核心は酉谷山・長沢山となろうが、日の短いこの季節、下山出来なくなりそうなので、まずは前衛と言える三ツドッケに登ることにする。奥多摩駅からバスで30分480円、東日原バス停へ。おそらく東京で一番の秘境であろう。都県境目指して北上する。しばらくはつまらない杉の植林地帯が続く。 1000mを越えた頃から広葉樹林帯となるが、紅葉には時すでに遅しで冬枯れの明るい尾根筋となる。奥多摩の谷は本当に深い。眼が眩みそうな斜度なので慎重に歩を進める。切れ落ちたヨコスズ尾根東側は見事なブナ林のようだ。二週間前であればさぞかし素晴らしい色づきであったと思われる。春の桜もそうだけど満開の時期が短すぎる。もったいない限りである。本日は秋晴れ、最高の天気で空気も大変澄んでいる。空の青さがこの半月ほどで一番綺麗だ。枯れ木の白い樹皮も青空を背景にすると美しいものである。しかも、アクセスが悪いだけあり登山者がとても少ない。混んでいるのも嫌だがあまりに少ないのも少し不安。二時間弱で一杯水避難小屋へ。最近抜かされることも多くなり体力の衰えを感じるのだが、コースタイムの7割くらいでは歩けているようだ。避難小屋から20分、三ツドッケ山頂からの景色は素晴らしいものであった。南を向けば奥多摩駅から雲取山まで続く石尾根の全貌を見渡すことが出来る。先週登った鷹ノ巣山の向こうには冠雪の富士山も鎮座している。北を向けば上越の山であろうかやはり冠雪の山嶺である。東は関東平野の向こうに筑波山まで見えているようだ。うーむ。関東平野広いな。眼が良ければスカイツリーなんかも見えるんじゃないかな。今度双眼鏡を買おう。さて、山頂でしばし休憩して未だ10時半少し前。ピストンするのも嫌なので奥多摩駅まで尾根伝いに歩くことにする。蕎麦粒山や本仁田山は登ったことがないのでこの機会に制覇する。都県境はブナの森のようだが葉は落ちているので明るい登山道となり気持ちが良い。まぁ、天気さえ良ければいつだって山は最高だ。 1時間半で蕎麦粒山。狭い山頂。特段目立つ特徴はないが、南東方面への視界は広がり、川苔山がすぐ近くに見える。ここからの下りはものすごく急。岩場はなく広い尾根で危ないことはないのだが、滑りそうにはなる。広い尾根は防火帯となっているようで伐採されているため開放感がある。このあたりも紅葉のシーズンであれば素晴らしいように思う。さて、眼の前の川苔山であるが意外と遠い。地図を見てもらえばわかるが、谷が入り組んだ非常に複雑な地形をしている。大きく回り込んで山頂へ。川乗山は人気の山。20人くらいはいたであろうか。結構な人出である。ヨコスズ尾根から長沢背稜と歩いてきた尾根が一望できて感慨深い。長かったなぁ。さて、最後の目標本仁田山である。が、川苔山-本仁田山間の鋸尾根が辛かった。本仁田山はすぐそこに見えており比高も200m程度と一時間かからずに着けるだろうと踏んでいたのだが、なかなかどうして危険な道である。岩場で急。いや、これ慎重に降りなければ命に関わる。下りなのに上り以上に時間がかかる。加えて最近は鳴りを潜めていた膝痛である。恐怖心もありかなり無理をした足運びだったのだろう。息絶え絶えで本仁田山。展望大したことなし。次来ることはないだろう。ここから700mの下りは辛かった。奥多摩三大急登の一つ大休場尾根を痛い膝を抱えての下山である。 50分のコースタイムに一時間かかってしまうが、なんとか林道にたどり着き安心する。いつもならつまらない林道歩きであるが、アスファルトの道のなんと歩きやすいことか。やっぱり文明は偉大だ。奥多摩駅に帰り着けば16時。8時間20kmに渡るロングトレイルであった。