logo logo_atte 日記 随筆 何処
2020-11-08 20:41:13 JST
(2020-11-08) 晴れ。有馬往復。昨晩は雨。濡れた森は新鮮。何度も通った道であるが、見覚えのない景色に「こんな道やったっけ?」てな感覚である。デジャブ(既視感)の反対。木々が放つ湿気に陽光が煌めき、なぜか甘い香りが漂っていた。七曲り直前で引き返してきたカップルに会う。「この先通行止めですよ。」とな。「あー、全然大丈夫。危険ロープくぐったらいいですよ。」と答えて私は迂回ルートの方へ。後ろから、「行けるんやぁ。山の人は優しいなぁ。でも、なんで知ってるんやろ。」との声が聞こえる。もちろん、迂回ルートがあることも教えましたよ。でも、私が迂回ルートを選んだのは、ヤセ尾根で危険度が高く面白いから。帰りは安全な危険通行止めの道を通る予定。カップルは素直にロープをくぐったようだ。ヤセ尾根に入った所、迂回ルート中盤でご老体から声がかかる。「通行止めやったんでこっちに来たけど山頂までいけますか?」「行けますよ。でも、こっちの方が険しいですから気をつけてくださいね。」追い越して進むと、なぜかお爺さんの連れの小学生らしい子供が付いてくる。「お祖父ちゃん、おいていってええんか?」「あいつ、遅いねん!」生意気ではあるがこういうのは嫌いじゃない。「危ないから気をつけろよ。」「落ちたら死ぬなぁ。」死にはしないだろうけど怪我はするだろう。しばらく私の後を追っていたようだが、心配になったのか、「あいつ、ホンマに遅いなぁ。」とふてくされながら引き返していった。根は優しい少年なんだろうね。さて、行楽シーズンの六甲山頂は人だかり。さっさと退散。一軒茶屋の向かい、長らく工事中であったトイレが完成していた。ものすごく綺麗でヒーターまで付いている。スッキリしたらしいオバちゃんから「感動的なトイレやなぁ。」との歓声。でも、大丈夫かなぁ。シンプルだけど清潔というのがいいと思うんだけどなぁ。あまりに綺麗で高機能なトイレだと山では維持管理が難しいのではないかと心配になる。さっさと有馬に抜けて有馬三山で引き返そうと思っていたのだが、先月行った瑞宝寺がモミジの名所であったことを思い出し、筆屋道から瑞宝寺公園に寄り道。大正解。ちょうど見頃。素晴らしい色づきである。真紅の紅葉は太陽を透かしてみるのが美しい。ただし、観光客が多すぎる。周辺の駐車場はどこも満車で空き待ちの車列が連なる。中心部の温泉街は避けることにしてロープウェイ駅近くから灰形山へ。いつ登ってもここは急。足が上がらん。やけにしんどくて最短経路でとっとと帰ろうと決意する。登りきったところでまたカップルから声がかかる。「こっちの道は大変ですか?」「どちらから登りました?」「紅葉谷からです。」「紅葉谷よりかは大変ですけど、まだ1時半ですし行けると思いますよ。」まだ、若そうだけど、相当な急坂だからね。楽観的に言ったけど、下山前に日が暮れてしまわないか気にはなる。彼女の方に体力がなかったら「ごめん!」ってところだけど、その時は彼氏の方に男らしさを見せつけるチャンスだと思ってもらうことにしよう。登ってしまえば何故か体力回復。最高峰をもう一度踏んでからメインロード(危険通行止めの安全路)で下山。到着は四時。やはり疲れていたのか、いつもより大分と遅い時間になっていた。