2019-12-26 12:44:11 JST
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山田正紀『火神を盗め』2/5点。高度経済成長期、スパイとは無縁のサラリーマン達が、中印国境の原発に仕掛けられた爆弾を撤去するためCIAを相手に奮闘する。感想としてはあまり面白くはなかったかな。時代が今とは違うし、作戦がどう考えても実現不可能っぽい。とはいえ、これらは瑕疵とは思わない。時代は読み替えて当時を想像しながら楽しむことができるし、不可能に見える困難な任務を果たすからこそカタルシスが大きいのだ。人物描写は浅くないし、冒険のスケールも大きい。が、やはり、合わない。単に私の人生経験では登場人物たちの境遇に共感できないのであろう。山田正紀の傑作の一つらしいので面白い人には面白いはずである。