logo logo_atte 日記 随筆 何処
2018-07-12 22:51:42 CST
diary-image (2018-07-12) 曇り。7時半に世界一周青年(今後、Aと呼ぶ)と待ち合わせ。朝食後、8時過ぎに山に入る。昨日より水が冷たい。足が凍りそうだ。昨日の下見があるので、さまようことなくテント村に到着。昨日、村で会話した女の子のテントに立ち寄る。昨日の帰り道に山菜採りをしていたお母さんとも顔見知りになっておいたので、テントに迎え入れてくれた。チベットの伝統的な食事を振る舞われる。バターをお湯で溶かし、きなこ(に似たもの)と砂糖を混ぜてペースト状にしたもの。悪くはない。それなりに美味しいと思える食事だ。非常にカロリーが高そうで山登りを控えた身にはありがたい。さて、この村は2つの谷の合流地点に存在する。「どっちの谷のほうが美しい?」と聞いたつもりで、「左の谷のほうがきれいだよ。」と言っているような気がした。左の谷を進むことにする。谷は家畜の通り道になっているのだろうか。獣道のようなそもそも道でもないような道が幾筋も走っている。また、あたりには動物の糞が散見される。谷の正面の岩山を目標にとりあえず高い方を目指すがすぐに息が切れる。テント村の時点で標高は3600mくらいであろう。 30分ほど登るとヤクを発見。これは遊牧をしているということだ。上には人がいる可能性が高いことから少し安堵する。ただし、軽い頭痛が始まる。私は高山病の再来を危惧するが、Aは元気なものだ。遊牧されているヤクや馬の好奇の視線を受けながら、しばらく登ると「オーイ」と人の声がする。間違いない。人はいる。しかしながら声は山で反響し、どこにいるのかはわからない。こちらも「ヤッホー」と返事をしておく。多数のヤクに囲まれて、息を切らしながら登りつづける。何度めかの「オーイ」との声。いた。谷のほぼ最上部。岩山の上に人影を発見。目標が出来た。心の中でそこをゴールとする。それから1時間ほどかかったであろうか。ようやく到着。1分間の呼吸数が半端ない。心臓はフル回転だ。AのGPSによると標高4100m。そして、ご褒美となる景色は圧巻であった。この景色を日本人で見たのはおそらく二人だけのはずだ。